「つか、アズコン参加者はクラスの出し物でるの免除されてんじゃん」
「あ、うん。けど友達が、アズコン候補者の私がこれ着て歩いたらいい宣伝になるんじゃないかって言ってくれたから……」
美乃里ちゃんはそう言うと、突然、俺の目の前に立ってクルッと背中を向けた。
え。
そこには、クリーム色のワンピースに色とりどりのカラーペンで『1-1 アニマルパンケーキ』と書かれていた。
その下にはいろんな動物のイラスト。
たしかにすこぶる上手い。
ご丁寧に『東棟 3階』と教室の場所まで。
「さゆちゃんていう子がすっごく描くの上手くて。すごいでしょ」
「……まぁ、」
すごいというかなんというか。
これって結局……。
「美乃里ちゃんはいいわけ?こんなの利用されてるみてぇ」
どうして。
これ以上関係を悪化させたくないって思っているくせに、
口を開けばそういうつっかかる言い方しかできないのか。
自分で呆れて仕方ない。



