「あー俺、これからバイトで」
「は、そういえばそうだったね。何時からだっけ」
「3時から」
「うわ、もうすぐじゃん」
ただいま時刻は午後2時半。
「残念だけど……」と言った善先輩が、「じゃあふたりでいこっか」と付け足しながらこちらを見た。
え。
水牧くんの都合が悪いなら「それじゃあまた今度」というか流れになると思ってたからびっくり。
善先輩と私のふたりきりで、お茶するってこと?
それはそれで変な光景じゃ。
先輩はそれでもいいの?
「じゃあ、俺はこれで」
ペコっと先輩に会釈する水牧くん。
「ん。アズコンが無事に終わったら3人でまた行こ、お疲れさん会」
善先輩にそう言われて「はい」と返事をした水牧くんは、
そのまま私たちに背を向けて行ってしまった。



