モテすぎる男子から、めちゃくちゃ一途に溺愛されています。


うっ……。

無事に電車に乗り込んで座れたはいいものの。

水牧くんと善先輩に挟まれるように座る形になってしまって、ちょっと、いや、かなり居心地が悪い。

車内にいる、特に女の子たちが、善先輩や水牧くんを見てはコソコソと何やら話しているから。

そりゃ目立ちますよね……。

「月本さん」

「っ、はいっ」

不意に、右の方から名前を呼ばれた。
声の主は、善先輩。

「ちょっと肩借りてもいい?」

「っ、え?!」

か、肩?!

先輩のいきなりのセリフにびっくりして固まってしまう。

「今日寝不足でさー。着いたら起こしてほしい」

「あー……」

もしかしたら先輩が寝不足なのはアズコンに向けての準備のせいかもなんて考えると、

私に断る理由なんてなくて。

コクンと頷けば、先輩は「助かるー」と言ってすぐに私の肩に頭を置いた。