モテすぎる男子から、めちゃくちゃ一途に溺愛されています。


「ごめん。運営からもう1つ資料もらうの忘れてたみたいで。今取ってくるから、ふたりゆっくり衣装選んでて」

「えっ……」

思わず声が出た。

『ふたりきりにしないで』
そう先輩に訴えるみたいに。

「ん?どうしたの?月本さん」

「あ……いえ、その……いってらっしゃい、です」

「うん。すぐ戻るからっ」

先輩はニコッと微笑むと残り一口のサンドウィッチを頬張って家庭科室を出て行ってしまった。

なんてこと……。 

一気にシンとなった家庭科室。

先に沈黙を破ったのは───。

「なに。美乃里ちゃんあいつのこと好きなの」

「はぁ!?」

水牧くんの衝撃的なセリフだった。

ニヤついた声に顔を向けて、今日初めて彼と目が合った。

『好きだよ』

夢に出てきた彼のセリフが再び脳内で響く。
夢の中で起きたこと、仕草、感触、体温。

ただの夢なのに。思い出すとどんどん熱くなる。心臓がうるさい。