大体、好きな人にあんなイタズラばっかりする人いないから。
水牧くんのことだ。こんなのだれかれ構わず言ってるに違いない。
今も、ふざけているんだ。
私の反応を見て面白がっている。
きっとそう。
騙されないんだから。
そう思っているのに……。
「美乃里ちゃんは?俺のことどう思ってんの?」
なんで顔中が熱くなるの。
「……好きじゃない、」
「うそ」
そう呟いた水牧くんの手が、いきなり私の服の中に侵入してくる。
「はっ、ちょ、なにしてっ」
ぴったっと、彼の指が私の肌に触れてゆっくり滑って。
こんなの……嫌なのに。
「うそ、ついたから」
「っ、」
嘘なわけないし。
私は初めて水牧くんを見た時から、ずっと───。
嫌いだよ。前も、今も。