モテすぎる男子から、めちゃくちゃ一途に溺愛されています。


「弟くんたちは、月本さんのステージ見に来るの?」

「え、ま、まさかっ!」

「じゃあ、来てもらおうよ」

「はいっ!?無理ですよ!」

なにを言っているんだ善先輩。

舞台に立つということが決まってしまい、それだけじゃない、水牧くんのことだって頭の中パンクしそうだっていうのに。

醜態を柚巳や里柚に見られるとか、ありえないよ。

「カッコ悪いところ、ふたりには見せられないので」

「ちょ、俺が担当になったからには月本さんのことも水牧くんのこともめちゃくちゃキラキラさせるつもりなんだから。『カッコ悪』くなるわけないから」

「っ、や、その、先輩の腕疑ってるとかではなく!私自身がダメダメというか……」

どんなに綺麗にしてもらったって、自分がポンコツだから。

小学生の頃の学芸会のトラウマがよぎる。

かわいいドレスを着させてもらえて、みんなからたくさん応援されて。

それなのに私は期待に応えられなかったから。