水牧くんに体を触れられそうになったとき、強く拒んだ。

嫌いだから、以外の理由。

今までたくさん他の子を触ったその手で、触らないで欲しかった。

信じてみたいってわずかでも思っていたから。

『私は水牧くんとなにもかも違うから』

彼に親切にしてもらったことも事実なのに、そんな言葉を投げつけた。

私に触れた時の彼は、パパや私のご飯を食べて美味しいって言ってくれた時とまるで別人で。

必死に抵抗していたけど、

無意識に彼を信用しすぎてしまっていた私にも落ち度はあると思って、自分にも呆れて。

抵抗することにも疲れて。

『……うまぁっ』

私の作ったご飯を食べてそう言った彼の笑顔が脳裏に思い出されて、我慢していた涙が流れ落ちたとき、

水牧くんの体が私から離れた。