「わー!ハンバーグだ!」

双子と水牧くんがお風呂に入っている間に夕食作りをはじめて。

お皿にメインのハンバーグを盛り付けたタイミングで柚巳がお風呂から出てキッチンを覗いてきた。

「柚巳くん!髪の毛、まだ乾かしてないから!」

柚巳を追いかけてそう言う水牧くんも、まだ髪が濡れている。

「柚巳、水牧くん困らせたらダメだよ。ほら、向こうで乾かしてもらって」

「はーいっ!」

「……うわ、やばっ」

柚巳が先にリビングに向かうと、水牧くんが出来上がった料理を見て小さくつぶやいた。

やばってなによ、やばって……。

あ、もしかして水牧くん好き嫌いとかあったかな。

先に聞いておけばよかった。

「ハンバーグ、食べられる?」

「ん。すっげぇ好き」

「……っ、」

あんまり無邪気な顔をして「好き」なんて言うから、びっくりしてしまった。

「なに?」

「別にっ。柚巳たちの髪、よろしく……」

「了解っ」

水牧くんはそう返事をすると、リビングの方へ向かって里柚からドライヤーを受けとった。