「ふたりとも、今日は本当にありがとう。すっごい助かった。一人だとそもそもお店にも入れなかったと思うから」
夕焼け色の空がだんだん薄暗くなってきて、そろそろ解散しようか、という時、
帰り道を歩きながらふたりにお礼をいう。
「なに言ってんの〜!こちらこそ、ありがとうだよ。美乃里と初めて放課後にがっつり遊べて最高に嬉しかったよ〜」
「萌ちゃん……」
「水着審査、私ら見れないのすっごい残念だけど、絶対果歩くんは喜ぶと思うからさ!美乃里ごめんね。先に謝っておくけど」
「えっ……?」
「ちょ、さゆ、余計なこと言わないの!じゃ、美乃里、明日学校でね!果歩くんによろしく!!」
「え、あっ、うん、ありがとう。明日ね」
さゆちゃんの『ごめんね』と萌ちゃんの慌てていた姿がちょっと引っかかったけど、
私たちは手を振り合って街を後にした。