「ちょっと、あんな誤解される言い方しないでよ!」
人気のない階段の踊り場についてから、水牧くんに掴まれていた手を振り解いて言う。
この人のああいうところが本当に嫌いなのよ。
「誤解って……美乃里ちゃん、俺に用事あったんでしょ?」
「っ……そうだけどっ」
そうだけど、そうじゃないじゃん。
「で、なに?」
「これ……」
しぶしぶ、持っていた紙袋を彼に差し出す。
「ご丁寧にどーも」
「ん。あと、これ、パパが……お惣菜」
そう言って、小さめの袋も渡す。
「えっ、まじか。……悪いな」
そう少しだけ眉尻を下げて言うから。
パパのことになると、優しい顔するのにね。
そんなことどうでもいいけど。
本題だ。
「それと、」
「ん?」
「……っ、」



