「え、昨日の今日って?」
「なんで月本ちゃんが水牧のパーカー……」
「さっき付き合ってないって、」
ほら……。こうなっちゃうじゃん!!
廣瀬くんも、その友達も口々にそう言う。
「待って、違うの、全然そんなんじゃなっ──っ、!!」
必死に否定しようとしたら、大きな手が私の口を塞いだ。
最悪っっ!!
やっぱりひとりで水牧くんに関わったらろくなことにならない!!
「もういい?この子借りて」
そんな彼の声に、目の前の男の子たちは固まって目をぱちぱちさせている。
私だって今の自分の状況に頭が追いついていないのに。
「……あっ、あぁ、」
「ごめん、どうぞ……」
それだけいう彼らを置いて、水牧くんは私の手を引くと、そのまま教室を後にして歩き出した。



