「暴走族の姫とか、俺はそういう女パスだわ。
気が強そうで、癒し要素ゼロだろ?」
あきれ顔で、手をヒラヒラする綺月。
そんなこいつに
『みくるが、すっげーいい女』と言うことを、
わからせたくなってしまう。
そのせいで、
いつも以上に口が回り、饒舌に。
「アイツは『暴走族の姫』って、
俺が知らないと思ってるみたいでさ」
「氷牙がストーカーしてたなんて、
知らないもんな?」
「俺に『姫』ってバレそうになった時の、
挙動不審で、テンパる姿。
天使かよって感じで、マジ可愛いわけ」
「女神の次は、天使かよ?」
「みくるって、
みんなの悩みを聞いてあげるんだぜ。
この前なんて、二股した誰かの彼氏に、
文句言いに行ったこともあって」
「氷牙、どんだけストーカーしてんの?
昼間はちゃんと、
千柳の秘書として働いてるよな?」
「あの御曹司は、
勝手に泳がしとくくらいが
ちょうど良いんだよ」
「まぁ~そうか。
で?
みくるちゃんの一番好きなとこは?」
オブラートを破り捨てるくらい
ストレートな質問に
恥ずかしくて
鼻の頭がむずがゆくなる。
俺は鼻を掻きながら、
テレ声に想いを溶け込ませた。
「芯の強さとか、人情味ってもの。
ちゃんと持ってるんだよ、みくるは」
「人情味ねぇ~」



