みんなお願い!
氷牙さんの前で、
私のことを『番長』って呼ばないで!
『様』付けもやめて!
私の正体も、消し去りたい黒歴史も
氷牙さんにバレちゃう!!
彼との結婚が破談になったら
私は借金地獄に、真っ逆さまだから!!
「彼氏なわけないじゃん。
いとこのお兄ちゃんが、バイクで送ってくれたの」
「なっ……」
「ねっ。
い・と・こ・の・お兄ちゃん!」
氷牙さん、お願い!
ここは、私に合わせて!
ヘルメットとサングラスで、
瞳すら見えない氷牙さんに
慣れないウインクを飛ばしてみたものの……
っ…、痛ぁぁ。
突然
ふくらはぎに、痛みが走った。
蹴った犯人は
バイクにまたがったままの
ワイルド王子で、間違いなし。



