電車がガタンと揺れ。
ちょうど、電車のドアが開いてしまい。
隙を見て、痴漢男は逃げて行ったけれど。
赤茶色の髪の女の子は
『大丈夫だった?』
女神みたいな優しい瞳で
痴漢にあっていた子に微笑んで。
『もっと早く
気づいてあげられなくて、ごめんね』
『……』
『震えてる。
怖かったね。家まで送るよ』
俺なんかより
遥かにカッコいい振る舞いが、
鳥肌もので。
『あの……
お礼っていうには
恥ずかしいんですけど……
これ……貰ってくれませんか?』
女の子が差し出した、
イチゴの編みぐるみを
『ありがとう。イチゴ、大好き!』
とびきりの笑顔で、受け取っていた。
俺の記憶が
すり替わっていなければ
見た目も、声も
みくるで間違いないんだけど……



