「ネクタイで男の首を絞める女、
みくるしかいないって、思ったんだけどな」
「私、そんな犯罪チックなことは……
しま……せ……」
みくるは、力強く抗議しだした割に
語尾は、だんだん消えていき。
「ん?」
首を傾けだしたから
俺はじっと、
大好きな女の口元を、見つめてしまう。
「ネクタイ? 首絞め?」
「ああ」
俺が、電車に乗っていた時。
女子高生らしき女の子が
スーツ姿の男性に、
お尻をさらわれていた。
俺が、止めに入ろうと思った時には
『この汚い手。
警察に突き出してもいいですか?』
赤茶色の髪の女の子が、
男性の手を掴んで
反対の手で、
ネクタイを引っ張り上げていた。



