彼の溺愛 致死レベル ゾルック 四人目





氷牙さんは
私を抱きしめたまま


「やっと、泣いたな」


この上ないくらい、
優しい声をこぼした。



どんな私でも
丸ごと受け止めてくれそうな温かい瞳が
揺れていて

離れると決めた私の覚悟が、
揺らいでしまいそうで、怖い。




氷牙さんは
私の頬に、手の平を添えると


「電車で一目ぼれした相手が、
 みくるじゃなかったとしても。

 俺の心の中を、今でも独占してるのは、
 間違いなくオマエだから」



涙でぐちゃぐちゃな私の目尻に、
優しくキスを落とした。



なぜか

心臓に突き刺さったままの痛みが
スーッと薄らいでいく。


でも、涙は止まらない。