彼の溺愛 致死レベル ゾルック 四人目




好きな人からのお願いは、
無下にはしたくないし……


氷牙さんの最後のお願い、
今すぐ叶えますね!


じゃあ私、一泣きします!!




……て。



いやいやいや。

ムリです。ムリ、ムリ。



涙を操るなんて
名女優なみに器用なこと

私には、できませんから!




氷牙さんが

一人ぼっちで寂しい子供みたいに
悲しそうな眼をしていたから

ついつい

言うことを聞いてあげたく
なっちゃったけれど……




「ぽろっと一粒だけ、
 涙を流してくれればいいからさ」


「そんなこと……」


「1回だけでいいから」




氷牙さんは、両手を合わせ


「みくるの命がかかっているから。
 今すぐ、頼む」


頭まで下げ、私に懇願してきた。





「泣かないと私の命が、
 三途の川に、沈められるってことですか?」



わかりやすいくらいの
驚き声を返したのに

氷牙さんは、そんな私を無視で。


「ちょっと待って」


座卓に置いたカバンの中を、
ガサゴソ、ガサゴソ。