『ちょっとくらい、いいだろ?』 ニヤッと口角を上げ 私の気持なんか無視で ズカズカと、部屋に入られると思ったのに…… 「……わりぃ」 ドアノブに触れていた氷牙さんの手が、 ストンと落ち 「……帰らなきゃいけなくなるくらいなら。 ……入んないから」 背中を丸め 眼鏡の前で 前髪をカサカサ集め始めたから 子供みたいな素直過ぎる反応に、 私は、困惑せずにはいられなくて 「リ……リビング…なら…… 良いです…けど……」 なんとか返したのは、 たどたどしい、どもり声。