しばらくして、
心がだいぶ落ち着いた。




布団に大きな涙のシミができるくらい
泣きはらしたからかな?

もう、涙なんか出なくて。



台風の時みたいに暴れ続けた
心の荒波が、
さざ波くらいに静まり。


――甘い紅茶でも飲もう。


涙の跡をこすりながら、
キッチンに向かっていると




ピンポーン。

客人を知らせる、玄関チャイムが。





今は、夜の9時前。


夜勤の父は、仕事中だし。

こんな時間に我が家に来るのって、
宅配くらいだよね?