印鑑を手に、玄関ドアを開ける。 いつもの 爽やか+チャラい÷2系の、お兄さんが 『どうも~。シロ犬宅急便で~す』 帽子のツバを手で挟み 営業スマイルを、光らせている。 と、思いきや…… 全くの別人で。 「……よぉ」 恥ずかしそうに、私から視線を外し。 「……さっきは……ごめん」 真っ赤なメガネの上に、 長めの前髪を集め。 「人体実験……させてくれない……?」 頬を真っ赤に染め 弱々しい言葉を吐きだしたから 私は、驚きを遥かに飛び越え 全神経が、フリーズしてしまった。