しばらくして、
笑いが収まった蓮見さんは
「この本によるとね、
魔族は魔法界の女性に、色目を使って
ゾクゾクを食らってたんだって」
真剣な瞳を、俺にぶつけてきた。
「でも
魔族と魔法界の女性の間に、
恋愛感情が芽生えてしまって。
ゾクゾクしすぎて亡くなる人が、
後を絶たなくて……」
蓮見さんがめくる、本のページには
血を吐きながら亡くなる女性が
描かれていて
『これが、みくるだったら』
そう思うと、ゾッとさせられる。
「魔族と魔法界の人間でも結ばれるように、
いろんな人体実験をしたって
書いてあるの」
そうだ。思い出した。
俺が、転生前の悪魔だった時。
魔法界に行かないか?って、
何度も知り合いに誘われた。
悪魔の女は、性格がキツ目。
魔法界の女は、おっとり系。
すっげー、癒されるからって。
でも俺は、
他の種族に関わりたくないと思ったし。
多くの女性が集まる場所に出向き
甘い言葉を、一斉に投げかけるだけで
1週間分のゾクゾクが手に入る。
これ以上、楽な
食料捕獲はないって思っていた。
だから、
魔法界なんて行ったことがない。



