「帰ってくれって
 この俺が、頼んでるんだけど……」


「氷牙が俺に頼み事?
 珍しい~」


「あのなぁ!」



「じゃあ、教えて」


「は?」


「俺が帰ったら、氷牙はどうするの?」


「どうするって……」


「泣いちゃう?」


「泣かねぇし!」


「笑う?」


「笑いもしねぇよ!
 ただ……」




俺はただ……


みくるが、俺の前に現れることは

もう二度と、無いと思うから……




「今日見た、みくるの顏を……
 何度も思い出して……

 一生忘れないように……
 脳に焼き付けとく……」




俺の口から

すっげー恥ずかしい本音が
こぼれてしまった。