彼の溺愛 致死レベル ゾルック 四人目




「この商店街を抜けたら、
 市役所に着いちゃうね」


「なんかパレードって、
 あっという間だなぁ」


「まだ終わりじゃないでしょ?
 最後まで、
 サイコーの笑顔をプレゼントしないとね」



3人の言葉に



「今までもらった恩、
 全部返すつもりで、手を振りまくるぞ!」


俺はリーダーっぽい言葉を、
自信満々で放ったのに……





和菓子屋の2階のベランダに立つ


俺の顔写真いりのうちわで
目から下を隠している

赤茶色のウエーブヘアの女の子が
目に入り。



あれって……


俺の顏から、
完全に笑顔が消えてしまった。






…………みくる。


…………なんで、いるんだよ。





1年前、
公園に置き去りにした酷い俺に

わざわざ会いに来てくれたわけ?