「この商店街を抜けたら、
市役所に着いちゃうね」
「なんかパレードって、
あっという間だなぁ」
「まだ終わりじゃないでしょ?
最後まで、
サイコーの笑顔をプレゼントしないとね」
3人の言葉に
「今までもらった恩、
全部返すつもりで、手を振りまくるぞ!」
俺はリーダーっぽい言葉を、
自信満々で放ったのに……
和菓子屋の2階のベランダに立つ
俺の顔写真いりのうちわで
目から下を隠している
赤茶色のウエーブヘアの女の子が
目に入り。
あれって……
俺の顏から、
完全に笑顔が消えてしまった。
…………みくる。
…………なんで、いるんだよ。
1年前、
公園に置き去りにした酷い俺に
わざわざ会いに来てくれたわけ?



