彼の溺愛 致死レベル ゾルック 四人目





バスはノロノロなスピードで
動き出した。




「全国デビュー、おめでとう」

「ゾルックのみんな、頑張ってね~」



沿道から投げかけられる、温かい声に


「ありがとう~」


俺たちも、精いっぱいの笑顔を返す。




『氷牙様、尊い!』

『綺月様、大好き!』



横断幕や、うちわの応援もたくさん。



画用紙に描いた俺たちの絵を

ジャンプで俺たちに見せようとする
園児たちもいて


『俺たちの夢を応援してくれてたのは、
 ライブに会いに来てくれた
 ファンだけじゃないんだな』と、

嬉し涙がこぼれそうになる。