「何すんだよ!
髪がボサボサだって、
心美に嫌われたらどうすんだよ!」
「そんなことで、
綺月を嫌うような女じゃないだろ?
ほら。
俺がもっとカッコよくしてやるから」
「サイコーにカッコよくしてくれるなら……
今の罪を、消してやってもいいけど……」
普段、吠えまくる犬が
恥ずかしさをごまかしながら、甘える姿に
――綺月も、
可愛いとこがあるじゃん。
俺の心も、ほっこりさせられたけれど……
バスの上で
綺月の髪をいじりながら
市役所に集まる人たちを
見回しても
みくるの姿が見つけられない現実に
俺の心が、バスに轢かれたような
激痛に襲われてしょうがない。



