相変わらず総長は

苦しそうに眉を下げ、
夕焼け空を眺めている。





総長の気持ちは、
嬉しくないわけじゃなかったよ。


「ごめん。でも……私……」


「わかっています」


「え?」


「彼から離れた後も、姫の心は、
 氷牙さん色に
 染まったままだったのですよね?」




総長は私に視線を絡めると

苦しそうに笑った。



総長の瞳が
夕日色に光っているからか

余計にその笑顔が
痛々しく見えてしまう。



私は、素直にコクリと頷き

一生秘めておきたかった想いを、
吐き出した。