このバスは、まるで
選挙カーのバスバージョン。
真っ白なバスの上に
『ゾルック 全国デビュー おめでとう』
の看板が
一周取り付けられていて。
バスの上に立つと、
集まってくれた人を見下ろす形となる。
「こんな高いと
心美にハイタッチは、絶望的だなぁ」
ファンに笑顔で手を振りつつ
ボヤキをこぼした、器用イケメンに。
「なに綺月?
こんなに人目が多いのに、
隙あらば彼女に触れようって
企んでたわけ?」
あきれ声をぶつけるも。
「俺はいかなる時でも、
心美に触れたくてたまんないんだよ!」
八重歯が光るやんちゃ笑顔が、
跳ね返ってきて。
「その気持ち……
わからなくもねぇけど……」
俺の口から
情けないボヤキがこぼれてしまった。



