俺は
真っ赤なメガネをキリっと上げ

冷たい視線を、
地面に転がっているみくるに突き刺す。




「俺の運命の相手は、みくるじゃない」


「……うぅ」


「俺は今から、
 電車で一目ぼれした子を探してくるから。
 じゃあな、みくる」



めいっぱいの嫌み声を、
大好きな子にぶつけ


俺の服の裾を掴んだままの、みくるの手を

荒々しく、はぎ取った。




目をこれでもかって程
見開いた、みくるは


顔が隠れるくらい、背中を丸め

声をあげて、
ワンワン泣き始めてしまった。