俺の腕の中には、 心臓の激痛をごまかすように 自分の太ももを思いっきり叩き続ける みくるがいて。 この腕をほどいて みくるをこの場に置きざりにする 自分を想像すると 罪悪感で、心がめった刺しにされる。 でも…… 綺月の言う通り…… みくるの命のが少しでも助かる方を、 俺は選ばなくてはならない。 綺月が自分のプライドを捨ててまで、 そのことを、 俺にわからせてくれたんだから。