大好きな女を、抱きしめ続ける俺。 そんな俺の耳に、綺月の声が届く。 『俺……言ったよな……?』 今にも泣きそうなほど弱々しい 綺月の声に 俺も戸惑いを隠せない。 『オマエは…… 俺たち人間と同じようには…… 人を愛しちゃダメだって……』 電話越しに 綺月の鼻をすする音が聞こえてきて 俺の涙腺が刺激されてしまう。 『俺は氷牙に…… 好きな女を殺した殺人犯になんて…… なって欲しくないんだからな……』 何なんだよ、綺月の奴。 反則じゃんか。 こんな時に、俺に涙声で訴えるなんて……