その後のことは、よく覚えていない。
指示されるまま、
氷牙さんのバイクの後ろにまたがって。
いつの間にか、バイクが走り出し。
いつの間にか、自分の知らない景色が
広がっていた。
赤信号で止まる、バイク。
その時、私の瞳に映ったのは、
人気のない古びた公園。
「あっ!」
私は、叫び声をあげると
氷牙さんの肩を、必死に叩いた。
「みくる、何?」
「氷牙さんと二人だけで、話したいです」
「今?」
「はい」
「メンバー、待たせてるんだけど」
「それでも、お願いします」
氷牙さんは
私の熱意に押し負けたように
バイクを、公園の駐車場に止めてくれた。
バイクから降り
誰も遊んでいない、公園の奥まで歩く。
「ここで良いか?」
大きな木で道路から死角のベンチに
氷牙さんが腰かけたのを見届け
一人分開けて、私も隣に座った。



