俺を挟んで始まってしまった
千柳と天音の甘辛問答。



綺月は冷ややかな流し目で
「またやってる」と言いながらも

クククと、堪えられなくなった笑いを
こぼしている。





ほんと、こいつらって、
みんなガキだよなぁ。



って。


俺はそれ以上にガキだから

個性派の3人がそれぞれ醸し出す
独特な空気の中で

好き放題に生きているのが
快感でたまんないんだけど。





俺は真っ赤なメガネの奥の目を、
キリっと吊り上げ。


「ほら、千柳も天音も。
 ののしり合うのは
 そんくらいにしとけよ」


ゾルックのリーダーっぽいことを、
言ってはみたものの。




「氷牙、勘違いしないでくれる?
 これは天音に対する
 俺の愛情表現で……」


千柳が怒ったハリセンボン並みに、
口をぷくっと膨らまし。




「そういう発言が、
 キモいって言ってるの」


今度は天音が、ヤマアラシ並みに、
トゲトゲを突き出したから

収拾の目途はなし。