綺月は俺の返事なんて、
初めから待つ気ゼロで。
「おお~い。
氷牙の恋愛成就ライブ、
明日の夕方に決まったから!」
キッチンに向かって、
怒鳴り声をあげたと思ったら。
「綺月。
魔王様の説得、ご苦労様~」
「綺月君に任せるなんて
心配しかなかったけど……
結果オーライだね」
ニヤつきマックスの千柳と天音が
キッチンから出てきて
俺を囲むように、ソファーに座りだした。
「氷牙。
俺がカッコ良すぎになっちゃったら、
ごめんね」
「……は?」
「自分の魅力を消すなんて器用な事は、
俺に無理かもだからさ~」
ペコっと舌を出した、
蜜甘王子の千柳に。
「明日のライブの趣旨を、はき違えた時には
蜜甘宇宙人を
僕がこの世界から、抹殺しますから」
悪魔と天使。
両方の性格を併せ持った天音が
今は悪魔顔で、
千柳のデコを、指でグリグリ。



