彼の溺愛 致死レベル ゾルック 四人目





綺月は俺の返事なんて、
初めから待つ気ゼロで。


「おお~い。
 氷牙の恋愛成就ライブ、
 明日の夕方に決まったから!」



キッチンに向かって、
怒鳴り声をあげたと思ったら。



「綺月。
 魔王様の説得、ご苦労様~」


「綺月君に任せるなんて
 心配しかなかったけど……
 結果オーライだね」




ニヤつきマックスの千柳と天音が
キッチンから出てきて

俺を囲むように、ソファーに座りだした。
 





「氷牙。
 俺がカッコ良すぎになっちゃったら、
 ごめんね」


「……は?」


「自分の魅力を消すなんて器用な事は、
 俺に無理かもだからさ~」



ペコっと舌を出した、
蜜甘王子の千柳に。



「明日のライブの趣旨を、はき違えた時には

 蜜甘宇宙人を
 僕がこの世界から、抹殺しますから」



悪魔と天使。
両方の性格を併せ持った天音が

今は悪魔顔で、
千柳のデコを、指でグリグリ。