彼の溺愛 致死レベル ゾルック 四人目




綺月はソファーに座ったまま
大きく伸びをしたかと思うと


「俺、人に借りを作るのって、
 弱みを握られるくらい
 大嫌いなんだよね」



手を頭の後ろで組み。



「氷牙がいくら嫌がっても、
 あの時の借りは、きっちり返すからな!」


揺らぐことない意志を、めいっぱい込めた
力強い眼圧を、俺に飛ばしてきた。




この目の時の綺月には、
何を言っても無駄かぁ……





「ライブするって言っても、
 メンバーのスケジュールと
 ステージの空きが合う日って、
 なかなか無いだろ?」



俺の言葉に

「そうなんだよ」と、
頭を掻きむしる綺月。



当分の間は
みくる一人の前でライブなんて無理だなと、
ホッとしたのに……




「氷牙、明日の夕方で良いよな?」


「…………へっ?」


「マネージャーに確認したら、
 明日の夕方しか、
 時間とれないって言うからさ」