彼の溺愛 致死レベル ゾルック 四人目




だだっ広いリビングに反響する、
俺の怒鳴り声。


リビングが、シーンと静まり返った頃。


普段のやんちゃさを消し去った、綺月が

大人びた顔で、
俺の目をまっすぐに見つめてきた。




「俺さ、
 子供の頃から氷牙を見てきたからこそ
 強く思うんだけどさ……」


「……なんだよ」



「ステージの上で
 スポットライトを浴びてる氷牙が、
 一番カッコいいじゃね?」



「……は?」



「高級スーツ着こなして
 キリっと千柳の秘書をしてる時よりも、
 血の通った人間っぽくて。

 俺はアイドルをしてる時の氷牙が、
 一番好きだけどな」




だから、なんなんだよ!

その甘ったるい褒め言葉は!