とりあえず
氷牙さんとの電話のやりとりを、
すぐに終わらせよう。
「昼休み中だし、
平気と言えば、平気ですけど……」
平気じゃないと言えば
今すぐ電話を切って欲しいくらい、
平気じゃないですけど……
『みくるって、
今日の夜はヒマだよな?』
「なんでですか?」
『ゾルックメンバーが、
みくるに会ってみたいって言うからさ……
オマエのこと……紹介したいんだけど……』
えっ?
私を紹介?
電話越しにかすかに聞こえる、
髪がこすれる音。
きっと氷牙さんは、電話の向こうで、
恥ずかしそうに
前髪をかき集めているんだろうな。
想像すると、可愛いなって
微笑みたくなっちゃうけれど
そんな妄想に浸っているほど、
今の私に、心の余裕は無し。



