「甘ったるいセリフさえ
言わないでいてくれたら、
私だって、総長を睨んだりしないのに」
「そのお願いは、受け入れかねますね」
「なんで?」
「なんでもです」
フフフと貴族なみの
高貴な笑顔をこぼした総長は
「そろそろ、稽古を始めましょうか?」
本を置き。
上品にイスから立ち上がり。
道場の真ん中を目指して、
歩き出したけれど。
私の中にある
モヤモヤの疑問を消し去りたくて
私は
総長の背中に、疑問符を飛ばした。
「総長って、彼女いないよね?」
「ええ、残念ながら」
「好きな子はいるの?」
「いますよ」
「もしかして、フラれたとか?」
「フラれたわけではありませんよ。
今の僕では、まだ魅力不足みたいなので、
自分を磨いている最中なんです」



