唇を噛みしめ、顔を歪める私の頬に 温かい手が伸びてきた。 その手の平は、 まるで私の心の傷を癒すかのように 大きくて、優しくて、心地いい温度。 「みくるは、俺が持っていない物、 ちゃんと持ってるんだよ」 「氷牙さんが、持っていない物?」 それって……なんですか? そう聞き返そうと思った。 でも…… 頬に触れていた氷牙さんの手の平が 今度は、私の頭に移動してきて 頭を撫でられながら、 お兄ちゃんみたいに優しい瞳で、微笑まれたから 疑問の言葉を、飲み込んでしまう。