「寺田さん、何だって?」
「今週の土曜日3時に来てくれって。誰かの撮影があるらしい」
「誰?誰の撮影?」
私の目が輝く。有名なモデルさんとか芸能人だったらいいな。
「誰の撮影か知らないよ。なんだよ優菜のばか。浮気者!」
「どうして私が浮気者になるのよ。啓太の方が・・・いや。なんでもない」
危ない!うっかり嫉妬心を出すところだった。気を付けなきゃ。
「俺の方が、なに?優菜、何が言いたいの?俺、浮気なんてしてないけど」
「ごめん、間違えた。何でもないよ」
「優菜、俺の顔見れる?俺の目を見て」
啓太の低い声にビクッとなった。
「み、見れるよ。いつも見てるじゃない」
そう言いながらも啓太の目を直視できない。



