「三位決定戦まであと二時間くらいあるけど、優菜はどうすんの?ここで待ってるの?」
「うーん。啓太たちはサブコートで練習するだろうし。それにあの女の子の中には入っていけないから。ここにいようかな」
「なあ、あの女たちって啓太を見に来てんの?」
「多分、そうだと思う」
すると部員の一人が、
「俺、斉藤が載ってる雑誌見ましたよ。その影響なのかな?」
豪くんが、「雑誌?」って聞いてきたから、
「この前ね、A-TOPSって言う雑誌の中の街で見かけたイケメンていう特集に載ってさ。学校でも女の子に追いかけられて大変なの」
「へぇ、優菜はそれで大丈夫なの?」
「う・・・ん。しょうがないよね。少し寂しいけどね」
私たちが話している所へ豪くんのチームのTシャツを着た女の子が近付いてきて。
「豪先輩!美夕ちゃんの学校が練習できなくて大変なんです。助けてあげてください」
「吉岡、どういうことだ?」
あっ、この子がもしかして小百合ちゃん?
「啓太くんが女の子たちに捕まっちゃって、サブコートが収集つかないんです。美夕ちゃんや部員たちが追い払っても全然聞いてくれなくて」
えっ?啓太くんって呼んでいるんだ。ってこんな所でやきもち妬いててもしょうがない。
「豪くん、どうしよう。啓太、大変そう」
私が豪くんにそう話し掛けたら、その小百合ちゃんが私を見て
「あなたが啓太くんの彼女さん?」
「は・・い」
「じゃ、少しの時間でいいので、啓太くんをサブコートから連れ出して下さい。啓太くんがいなくなれば、あの子たちもあきらめるでしょ」
「えっ?私が?」
私に有無を言わさず、小百合ちゃんは私の手を掴むとサブコートまで連れてきた。後ろからは豪くんもついてきてくれて。



