翌朝
啓太は朝食をたくさん食べて、元気に大会会場へと向かった。
「優菜、気を付けて会場に来てね。待ってるね。行ってきます」
「うん。頑張ってね!行ってらっしゃい」
一度門から出て行った啓太が戻ってきて、私を玄関の中へ戻して、
「今日の試合で勝てるように、願掛けチュウして」
「啓太、絶対に勝てるよ。≪チュッ≫」
「おっしゃ!気合入った。行ってきます」
いつも啓太にはどうしようもなくキュンキュンさせられる。
あれ?私も啓太の泣き虫がうつったのかな。
啓太の背中が見えなくなるまで見送って、姿が見えなくなった瞬間に何故か涙が滲んだ。
泣いている場合じゃない。今日は試合時間が早いから私も準備して出掛けなきゃ。



