私は再度啓太の腕にしがみついた。
啓太にしがみついたまま私は携帯のライトを啓太に向けて、唇の傷を探す。
「啓太の唇、ちょっと見せて」
少しだけまだ血が滲んでいる所を見つけて、
「啓太、ココだ。ティッシュで拭くね。痛かったね、ごめんね」
「ティッシュで拭いたらくっついちゃうよ。優菜で消毒してよ」
「無理です。雷が鳴っている時は無理なの!」
「もう!優菜とせっかくいいムードだったのに。ああーっ!雷のバカ」
停電していたのはほんの5分位だったけど、凄く長い時間に感じた。
部屋の電気が復旧したので改めて啓太の唇を確認すると、啓太が自分で舐めたのか、血は止まっていて。
少しだけ傷があるように見える程度だったから、その傷を小指でそっと触ってみた。
すると啓太が私の手首を掴んで、唇に触れていた私の手を下ろした。
「も、一回。チュウのやり直しな」
そう言うと、今度は大人のキスをしてきて。
窓の外で鳴っている雷のことなどすっかり頭から消えていた。



