年下のかわいい後輩くんが彼氏になりました


「私、ちょっとトイレに・・・」

豪くんに断って席を立った。涙を止めるために。

鏡の前で顔をパンパンと叩く。こんなんじゃ夏美に怒られちゃう。

今日は夏美のために集まったのに。

少し腫れた目をどうにか誤魔化すように前髪で隠して、皆のところへ戻ると、送別会はお開きの時間になってしまっていた。

「えー、夏美。遠くへ行っても俺たちはずっと仲間だから。これから高校を卒業して、全員が地元に残るわけじゃない。夏美が一足先に行くだけなんだ。俺たちだって一年半後にはバラバラになる。でも、こうして時々はバレー部同窓会をしよう。皆で集まって、バカ騒ぎしよう。きっと次に集まる時は子持ちがいるかも知れないな。そんなことも楽しみにしながら、何年後かにまた会う約束をしよう」

キャプテンだった豪くんが夏美とここにいる皆に向けてエールを送った。

やっと止めた涙がまた溢れてきて。

今度はここにいるほとんどが泣いていた。

男子たちが夏美を囲み円陣を組んで、

『夏美!ファイト、オー!』

と、試合の前のルーティーンをして、その掛け声で解散した。