「ねぇ優菜。正直に答えて欲しい。もう時効だと思って。中学の時さ、優菜って豪先輩のこと好きだったよね?」

突然の啓太からの質問にびっくりして。正直に答えるべきか、嘘をつきとおした方がいいのか、正解が分からない。

「えっと、どうしてそんなこと聞くの?」

「否定も肯定もしないんだね。それが答えだよね」

「本当にどうしたの?啓太、おかしいよ?」

「ごめん。俺と付き合う前の話だもんな。答える必要ないよな」

豪くんのことで、何か啓太を悩ませていることがあるの?
急に豪くんの話題なんて。

「啓太、合宿で豪くんと何かあったの?」

「・・・いや、何もないよ」

今、啓太に変な沈黙があった。豪くんと何かあったんだね。

話したくないみたいだからこれ以上は聞かないけど。

啓太が話したくないなら、豪くんから聞くしかない。

啓太が悩むこと、それを取り除いてあげたい。

その時は、まさか私のことで啓太が悩んでいたなんて微塵も考えていなかった。


「啓太、送別会は参加で申し込むね」