しかし、これはあくまでも『推測』の域だ。この仮説が本当かどうかを証明するには、その韋駄天様がニセモノかどうかを確認しなければならない。

帝宮・善見城に身を置いている竜樹様がニセモノ韋駄天様に接触を試みて確信を得るまで、私はこの異世界の戦士らと共に待機することとなった。




……あの後、重要な話が一区切りすると、食事が出てきた。

ここでの潜伏中は、銀太さんがお食事係らしい。

だが……ズラリと並べられた食事は、見慣れない鮮やかなものばかりで、まず見た目で度肝を貫かれた。

間違いなく、天界のお料理ではない。異世界料理?!

しかも、味も濃くて斬新だ。食べたことのない味だったけど、美味しいの一言に尽きる。

何故か、竜樹様とその侍従も晩餐に参加していた。こんな高貴な身分の方と、平民のように同じ食卓を囲むだなんて、何だか違和感。

『いやー美味い。ホワイトソース本当に美味い』と、竜樹様は大層お食べになる。

私も、地下牢にて冷めた食事しか口にしてなかったので、久々の温かい料理をお腹いっぱいに食べてしまった。



そうなると、急に眠気が催してきて、早々に床についてしまったのである。