「は、はい……」
と、答えるしかない。
私は、監獄への護送中に襲撃によるうやむやで脱走をした身なのだ。
冤罪であるとはいえ、身の潔白が証明されるまでは堂々とお天道様の下を歩いていい身ではない。
逃げたことがいつ発覚するかわからない。見つかってしまったら、更なる重罰が与えられるかもしれないのだ。
「ここは、忉利天内の花街の側にある住宅街だ。今後の見通しが立つまで、貴女にはここでこの三人と生活してもらう」
「……い、良いんですか?」
「もちろん、そのつもりで貴女をここに連れてきたんだ。彼らは月輪界でも腕の立つ戦士だ。貴女の命を守る用心棒にもなる」
顔を上げて彼らを見回す。
彼らは、わたしの方を見て、同時に頷いていた。
この人たちが……私を、護ってくれる?
その眼差しは頼もしく、安堵をも与える。
「貴女が逃げたという事実の発覚を遅らせるために、彼らに護送車を破壊させて同伴の者を足止めさせたが……時間は限られている。だが、それまでに必ず貴女の冤罪を晴らすと約束しよう。……絶対に助ける」
加えて、竜樹様も言い切って頷いていた。



