「……鳩槃茶王の令嬢、舞空殿。この度の、とある一大事件について、聞きたいことがあるんだ」 竜樹様のその一言で、私をここに連れてきた他の三人も、私の方へと一斉に視線を向けた。 視線の見えない圧を受けて、私も息を呑む。 「一大事件、とは」 「君が首謀者として片づけられた、天部衆武官・韋駄天様の令嬢、伽藍様の毒殺未遂事件についてだよ」 この人たちは……敵か、味方か。