「お忙しい日々になるのですね。それはどのような……」
竜樹様が一員として抜擢される事業、さぞかし大掛かりで重要なものなのだろう。
そう思って、何気なくその内容を問う。
「……異世界との交流を図る事業だ」
「へえ……え、い、異世界?!」
完全受け身で話を聞く体勢でいたため、不意打ちのように出て来た言葉に、ハッと驚かされる。
私の反応を見越していたのか、竜樹様は「あはは」と短く笑っていた。
「使節団を結成して、文化の発展した異世界を訪問するんだ。そして、互いの世界に有効な知識や技術を交換し合い、友好を深める。その橋渡しをする事業」
「ま、まさか……その相手の異世界って」
「うん、月輪界だ」
「ええっ!」
月輪界と交流事業……?!
かつて、私らと共に戦った、あの異世界の戦士たち……仲間のいる世界と、交流する?
「いつの時代にも現れるわけではない稀少な【宿曜】の存在が発覚して、こっちとしても黙っちゃいられない、ということさ。……【宿曜】をこの世界に迎え入れるため、全力で交渉に当たる」



