基礎を携え、各々の力を磨くのは……これからだ。



今、私が手にしている手紙は、本日の『卒業式』を祝う言伝だった。

一つずつ、丁寧に開く。

これは……伽藍様から。私が竜王領に身を移してからは、定期的に文を交わしている御方の一人。

私の神術士基礎課程修了を祝う言葉や、韋駄天城の様子までも書かれていた。みんな、元気にしてるみたい。

朝霧様の様子も……今は謹慎も解かれ、文官の仕事にも復帰しており、忙しい毎日を送ってるようだ。

……その朝霧様からも、手紙は届いている。

最初は反省文と復縁を願う内容であったが、『今は神術士の修行に忙しいので考えられない』の一点張りで、返事を返す。

すると、ここ最近では伽藍様同様、近況報告みたいなものになっていて、単なる文通仲間となってしまったのである。

元婚約者が、文通仲間?何故、このようになってしまったのか。



苦笑いしながら、別の手紙を手に取る。

……この手紙は、豹牙様からだ。



豹牙様はあの後、『聖獣の儀』に挑み、見事に成功したそう。強さをまた一つ、手に入れた。

自分と契約した白虎が小さくて、白くもふもふとしていて、とても可愛くて。

どこに行くにもいつも一緒で、弟のように可愛がっているとのこと。