「んでな?んでな?聖獣契約の儀が見事に成功したらさ、ご褒美に毘沙門天が夜叉王領に連れてってくれるんだとさー!」
「え!それは本当ですか?!本気で羨ましい……!」
「さっそく羅沙にも文を出したし、あとは俺が頑張るだけー!」
俄然ヤル気の様子が、とても可愛らしいし、微笑ましい。見ているこっちも笑顔になってしまう。
いや、私もご褒美があの夜叉王領での食い倒れとあれば、出力全開で空回りするほど頑張ってしまうかもしれない。
それはそうと……豹牙様は、もう前に進み始めている。
いつかの約束が叶えられるかもしれない。希望に満ち溢れた、輝かしい未来へ。
私も早く、行動を起こさなくては……!
「舞空は、これから神術士の修行を始めるんだろー?」
「へっ」
そこで不意にそんな確認されて、思わず変な声をあげてしまう。
まさかここで、自分の話題になるとは思わなくて。
だが、豹牙様は私を見てニンマリと笑うのだ。
「だってだって、みんなと約束してたもんな?『強くてイカした立派な神術士になる!』ってさ?」
強くてイカした、は、付けてないですけど……。